SECRET COCKTAIL
開店直後という事もあって。
運よくまだ、他の客は来ていない。
とりあえず、一旦店の外に出てから扉にclosedの札を掛けて。
逸る心を落ち着かせるように、カウンターに残されたグラスを片付ける。
そして、奥の部屋から上着を掴み取り店内に戻ると。
視界にいつも美來が座るスツールが映った。
その背を、指ですっと一撫でしてから。
店のライトをパチンと消した。
~アメリカーノ~
(届かぬ想い)