SECRET COCKTAIL
いつも冷たい事ばかり言うくせに。
こんな風にすんなり受け入れられてしまうと、期待しそうになってしまう。
この想いが叶わないことなんてとっくに知っているのに。
馬鹿な私は、勘違いしたくなってしまう。
もしかしたら雅君の気持ちを変えられるかもしれない――――なんて。
そこまで考えて、虚しい溜息が漏れた。
ダメだダメだ。
ここに通うようになって、決めたはずだ。
もう二度と。
雅君に自分の気持ちを押し付けて困らせるような事はしないって。