SECRET COCKTAIL
「ちなみに、コペンハーゲンは、秘密の恋」
「コペンハーゲンって・・・」
「テネシー・クーラーは、あの日の約束」
「・・・・・・」
聞き覚えのある、その名前たち。
忘れるはずがない。
それは紛れもなく、全て雅君が私に飲ませてくれたカクテルだ。
「ベルベット・ハンマーは、今宵もあなたを想う」
「・・・お兄ちゃん?」
私の視線に、お兄ちゃんが意味ありげな笑みを見せる。
「全部、雅弥がお前の為に選んだカクテルだろ?」
キールという店名が。
カクテル言葉を元にして付けられたというのなら。