SECRET COCKTAIL
「う、嘘」
そんな訳、ない。
これはきっと、私の都合の良い解釈だ。
これはきっと、私の願望。
まさか、雅君が。
まさか、そんな事。
「あいつが言うんだ。過去は消せないって。美來に自分は相応しくないって。美來、お前もそう思うか?」
「そんな訳ないっ」
雅君が私に相応しくない、なんて考えた事もなかった。
一体どうしたら、そんな風に考えられるのだろう。
寧ろ、どう考えたって私の方が雅君に相応しくなんかないのに。