SECRET COCKTAIL


一歩足を踏み出した所で。



「あ、美來」



と引き留められた。



「なに?」


「今までのキールでの支払い、俺の付けっていうの、アレ、嘘だからな」


「え?どういう事?」


「その意味は、あいつに聞けよ」



にやりと笑うお兄ちゃんに意味が分からないまま頷きを返して。

コートと鞄を掴み取って、店を飛び出した。

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