SECRET COCKTAIL
wine cooler
チリンッ。
勢いをつけて扉を開けると、いつもは控えめに鳴る鐘が高らかに木霊した。
「あ、あれ?」
扉を開けた店内は暗くて、思わず一度扉を閉める。
「クローズ?」
札を確認して、愕然とする。
こんな時に、雅君はいないという事なのだろうか。
でも、今、扉は開いたよね?
もう一度、ゆっくりと確認するように扉を開けると。
「きゃあっ」
すぐ傍に人の気配を感じて、つい悲鳴を上げてしまった。