SECRET COCKTAIL
気合いを入れるように、残り少なくなったビールをぐっと飲み乾すと。
間を置かずに、すっとグラスが交換された。
「あ、ありがとう」
さすが雅君。
と思って視線を上げると、心なしか不機嫌そうに眉を寄せた雅君が目の前にいて、首を傾げて様子を伺った。
「スクリュードライバー」
「え?これ?」
小さく囁かれた声。
いつものように、お勧めカクテルなのだろうか。
そう思って目の前のグラスに視線を落とした。
オレンジ色をしたロングカクテル。
お酒に詳しくない私でも、知っている名前だったけれど。
雅君がこうして作ってくれたのは初めてだ。