SECRET COCKTAIL


外に足を踏み出すと、ふわりと冷たい風が頬を撫でた。


アルコールの酔いを吹き飛ばしてくれるようなそれに、ほっと息を吐く。



藤井さんの相手を雅君に押し付けてしまったことに引け目を感じてしまうけれど。

きっと、雅君なら上手くとりなしてくれるはずだ。


私が困っているのを見かねて助け舟を出してくれたんだろうと分かって、こんな時なのに胸がくすぐったい。



分かっている。


雅君が私に優しくするのは、理由があるからだ。



恋愛感情では決してない。



そんな事は分かっている。


だけどどんな形であれ、好きな人に気にかけて貰えて嬉しくない人なんかいないだろう。




それが例え、自分を拒めない理由があると知っていても。












~スクリュードライバー~
(貴方に心を奪われた)


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