SECRET COCKTAIL


「雅君と、何かあったー?」


にやにやしながら覗き込んでくる希海の顔をチラリと横目で見てから、のっそりと起きあがった。


「なにも、ない」


「そうなの?」



いや、何もないから問題なのだ。



丁度あの日から。

急に舞い込んだ仕事の打ち合わせやちょっとした出張が重なり。

かれこれ5日程、雅君の顔を見ていない。


一週間の内で一回しか会いに行けていないなんて、あの店に通うようになってからは初めての事だった。


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