SECRET COCKTAIL
「ああ、もう。生きる活力が・・・」
「相変わらず大袈裟ね」
ぐったりとデスクに身を預ける私を呆れたように見下ろす希海。
でも私にしてみたら。
大袈裟でもなんでもない。
どんなに仕事で落ち込んだ時も。
悔しい事があった時も。
それでも折れることなくモチベーションを保っていられるのは、雅君との時間があるからだ。
別に付き合っているわけでもなく。
そこに甘い時間がある訳でもない。
だけど、本当に好きな人と一緒に過ごす時間があるだけで、今の私には充分。
決して付き合えないと分かっているからこそ、一緒に居られる時間が貴重で大切なのだ。