SECRET COCKTAIL
自分の気持ちを認めて貰えたような気がして、なんだか嬉しかった。
いろんな事を頑張れるような気がする、という多田君の言葉は良く分かる。
だって、今の私がまさしくそれだ。
「だから、俺で良かったら、いつでも話くらい聞くよ?」
「え?」
「女友達の新堂みたいには無理だろうけど、飲み相手に位はなるだろ」
「多田君・・・」
「せっかく同期になれたんだからさ。これも縁だし?もっとお互いいろんな事知ってさ、仲良くなりたいとか思わねぇ?」
「うん・・・、そうだね」
男の人と二人きりで飲むとか、今まではなんだか抵抗があって。
多田君の誘いもことごとく断ってきていたような気がする。
だけど、それって物凄く失礼な事だったのかもしれない。
多田君の想いも理解せず、そこにどんな意味があるのか分かろうともしなかった。
多田君は同期として会社の繋がり以上に、もっと打ち解けようとしてくれていたのに。