SECRET COCKTAIL
そんな安易な考えをここに来てあっさりと覆されたのは、かなり想定外。
それでも、真っ直ぐに好きな人を見つめる彼女の表情はとても綺麗で。
その瞳を自分に向けてほしいと、ますます闘志が湧いた。
当然、相手に嫉妬心はあるものの。
話を聞けば、どうやら彼女はすでに振られているらしい。
それなら、まだまだ俺にだって見込みはあるっていう事だろう。
そう思っていたけれど。
眠っている彼女の顔を良く見たくて。
額に落ちている彼女の髪を払いのけようとそっと手を伸ばした時。
カツン、と。
目の前にカクテルグラスが置かれたのが分かった。