強引な彼の求愛宣言!
「深田さんは、かわいいね。素直で、俺が話しかけると、すごくうれしそうにしてくれて」

「ッへ、な……」



かあっと、顔が熱くなった。

もしかして──武藤さん、気付いてた?

私が、自分に特別な感情を持ってること……わかってて、あんな普通に接してたの?



「……ッ、」



いやだ、恥ずかしい。

自分が恥ずかしくて、情けなくて、泣きそうだ。


くちびるを噛みしめ必死で羞恥心に耐える私の前で、武藤さんは笑う。



「そういうカオも、いいね。すごくそそる」



はたと、私は一切の動作を停止した。


……今、なんて言われた?

素敵な声でとんでもないセリフが聞こえたから、耳を疑った。

そうこうしてるうちに彼の右手が伸びてきて、私の髪に触れる。

ビクリと、思わず反応した。



「深田さんはさあ。俺が何の下心もなく、きみを家に連れて来たと思ってるんだ?」



武藤さんの綺麗だけどごつごつした指先が、私の髪の毛を巻き付けてもてあそぶ。

大好きな声のはずなのに、話し方が違うだけで、こんなにも別人に聞こえるんだ。

唖然としたままの私の目の前で、彼が小さく首をかしげた。



「甘いね、深田さん。きみはもっと、男を疑うべき」
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