強引な彼の求愛宣言!
「う、あ、あれも、うそなんですか……」

「ん?」



話の続きをうながすように見つめてくる彼から、目を逸らしてつぶやく。



「あの、……ゆうべ、何にもしなかったって」

「ああ、アレは本当。さすがに酔っ払って寝てるコに手ぇ出すほどゲスじゃないよ」

「そう、ですか」



こんな状況だけど、ほっと胸をなで下ろす。

まあね。さすがにそれは、人としてね。


すると武藤さん、そんな私の思考を知ってか知らずか、にやりと笑って。



「そういえば、深田さんって」

「え、」

「右のふとももの外側の方に、ホクロあるんだ? あんなきわどいとこって、エロいよね」

「……!」



バッと勢いよくホクロの位置を手でおさえようとしたのに、それよりも早く手首を掴まれて叶わなかった。

私はわなわなと、真っ赤な顔でくちびるを震わせる。



「な……っ見たんですか?!」

「見えたんだよ。きみが『暑い~』ってむにゃむにゃ言いながら、自分でレギンス脱いだときに」



しれっと話す武藤さんを、信じられない思いで見上げる。

……さいあく! さいあく、最悪!!



「どっ、どうしてそのとき、起こしてくれなかったんですか??! そしたら私ちゃんと、家に帰ったのに……!!」

「朝目覚めたとき、俺のベッドに寝てたってわかったらどんな顔するのかなって。まあ、半分興味だよね」

「悪趣味……!」
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