強引な彼の求愛宣言!
「深田さん、今もう大丈夫ですか?」
最後に待っていたお客さまを送り出したとたん、後ろから小声で話しかけられて思わず肩がはねた。
三木くんがその長身を屈めるようにして、私に耳打ちしている。
「融資の方に来てる東明の武藤さん、深田さんにお話があるそうなので」
「……わかりました」
内心では動揺しつつ、立ち上がった。
ドキドキと、心臓の音がうるさい。三木くんはわざとなのか本当に用事があるのか、融資窓口から離れたところにある書類用キャビネットを開けている。
はやる気持ちをおさえながら、武藤さんが待つ窓口に足を進めた。
「お待たせ、しました」
こちらの姿に気付くと、パイプ椅子に座っていた武藤さんが静かに立ち上がる。
私は胸がいっぱいで、なんと言ったらいいかわからなくて、無言のまま彼を見上げた。
ふっと、その口元が苦笑ともとれる風に緩む。
「……そんな顔で見つめられると、今すぐ家に連れて帰りたくなるな」
低くおさえた声で耳元でささやかれ、どうしようもなく胸が高鳴った。
こくん。ひそかに唾を飲み込み、カウンター越しの彼を見つめる。
「あの、……先ほどは、ありがとうございました」
「ああうん、……まいったな。そんなつもりじゃ、なかったんだけど」
どういうことだろう。なんだか苦く笑う彼の真意はわからなくて、でもそんな表情もたまらなくかっこいい。
最後に待っていたお客さまを送り出したとたん、後ろから小声で話しかけられて思わず肩がはねた。
三木くんがその長身を屈めるようにして、私に耳打ちしている。
「融資の方に来てる東明の武藤さん、深田さんにお話があるそうなので」
「……わかりました」
内心では動揺しつつ、立ち上がった。
ドキドキと、心臓の音がうるさい。三木くんはわざとなのか本当に用事があるのか、融資窓口から離れたところにある書類用キャビネットを開けている。
はやる気持ちをおさえながら、武藤さんが待つ窓口に足を進めた。
「お待たせ、しました」
こちらの姿に気付くと、パイプ椅子に座っていた武藤さんが静かに立ち上がる。
私は胸がいっぱいで、なんと言ったらいいかわからなくて、無言のまま彼を見上げた。
ふっと、その口元が苦笑ともとれる風に緩む。
「……そんな顔で見つめられると、今すぐ家に連れて帰りたくなるな」
低くおさえた声で耳元でささやかれ、どうしようもなく胸が高鳴った。
こくん。ひそかに唾を飲み込み、カウンター越しの彼を見つめる。
「あの、……先ほどは、ありがとうございました」
「ああうん、……まいったな。そんなつもりじゃ、なかったんだけど」
どういうことだろう。なんだか苦く笑う彼の真意はわからなくて、でもそんな表情もたまらなくかっこいい。