ダイヤモンドみたいに輝けない






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「内海先輩は恋人がいるんですか?」




まだ、私が入社したばかりで

彼を意識なんかしていなかった頃

飲み会の席でたまたま隣に座った内海先輩に

話題のネタで話をふった。




今、思い返せばあんなこと聞かなければ良かった。


知らないで好きになるのと

知っていて好きになるのとでは

片思いのハードルだって違っていたのに。





「恋人は残念ながらいないけど、好きな人なら・・・」


照れ臭そうに視線を斜め下に流して答えた彼の

年上なのに可愛い表情を見て

あ、こんな表情をしながら思い出させてもらえるなんて


お相手の方が羨ましいなと。


感じた。




それからたまに、会社でふとした瞬間に、彼の視線の先が気になったりするようになって


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