その手をぎゅっと、離さないで

俺らの班は幸運なことに全員絶叫マシンが大好きだ。

今はその待ち時間。

特に桜華と桜庭は二人で盛り上がりまくってる。

妬ける…。

俺って結構やくんだな、自分でそう思った。

付き合ってもないのに。

「でもたぐっちゃんが絶叫マシン好きって意外
だなぁ」

特に誰に話しかけたわけでもなかったが、たぐっちゃんが反応してくれた。

「そ、そう?
スリルがあって面白いよねっ!!」

俺も共感だ。

恐怖はあるが、それがまた面白いんだよな。

「次の方〜、何名様ですか?」

「三人です」

六人じゃ乗れないから男子、女子でわかれて乗ることになった。

「やっばい!めっちゃ楽しみ〜!!」

「僕も僕も!
叫びまくったるで〜!」

それさっきも言ってましたけど。

聞いてるだけでムシャクシャする。

「じゃあ、楽しもっか!」

それから別々になって乗った。

初めのゆっくり登っていく感じがたまらない。

これから何が起こるのか。

すっげぇワクワクする。

「吉岡、僕やばいぞ」

「まさか!?」

「皆が乗れるって言うから…」

嘘だろ。

本田は乗れない派だったのか!?
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