その手をぎゅっと、離さないで

「おい!乗ったからにはもう遅いやんけ!
楽しんでくれよ〜」

桜庭は本田をおちょくってるのか本気なのか…。

「やべ、くるで!」

「「ぎやー!!!!!!」」

桜庭と本田の声がうるせー!

桜庭は楽しんでるようだけど、本田は死にそうな声だ。

めっちゃ楽しいが、叫ぶなんてできねーし!

「こうきぃぃいいいー!
生きとるけー?」

「バリバリ!楽しすぎっしょ」

世界一とか日本一って言われるジェットコースターは何度か乗ったことがあるからこんなの序の口。

それでもやっぱたまんねぇ!


「楽しかったな!」

約三分間の天国タイムは終わった。

本田にとっては地獄だったろうが。

「桜庭〜!めっちゃ楽しかったやんな!」

「僕、今めっちゃ興奮しとるわ〜」

またお前らかよ。

ずっと話してるし。

桜華には好きな人がいる。

付き合ってもない。

そんな俺が言えるわけないよな。

「おい、次行くぞ」

冷たい言葉を言い放って次に乗る予定の所へ行った。
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