その手をぎゅっと、離さないで
さっきから光輝の機嫌がちょっとだけ悪い。
いつもならノリノリで私たちの話しにはいってきてくれると思ったのに。
やっぱ告白で…?
私…嫌われちゃったかな。
あんな振り方ダメだったかな。
光輝は好きだよ。
そりゃ、友達としてだけど…。
でもやっぱりあの時言ったように、中途半端な気持ちで付き合いたくない。
まだ大輝が好きなのに光輝と付き合っても…
光輝のことを傷つける。
私が逃げてるだけかな…。
あの時の光輝の言葉を思い出す。
『逃げてんじゃねぇよ!』
でも今直面している現実に向き合わなきゃ。
稚菜からもらったブレスレットもある。
「真実の愛ね…」
「どーしたんやー?」
「あっ、ううん。なんでもないよ」
せっかく皆楽しんでるのに私のせいで台無しにしちゃダメだよね…!
みんなと遊園地過ごす時間はあと1時間。
最後は観覧車に乗ることにしている。
六人では乗れないから複数に別れることにした。
「はぁ!?なんで男女二人ずつなんだよ」
珍しいことに、桜庭が言い出した。
「まぁ、くじひけよ〜」
結果、私は桜庭と。
宮本ちゃんと本田くん。
たぐっちゃんと光輝になった。