その手をぎゅっと、離さないで
正直、光輝と二人はきついと思ったから良かった。
「じゃあ僕ら一番行くわー!」
「じゃあまた後で!」
そして私たちは観覧車に乗り込んだ。
「今日すっごい楽しかったね〜」
「また、来たいのぉ!」
うふふ、桜庭は関西弁でおもしろいな。
桜庭の地元の話とかたくさんした。
「なぁ桜華」
最高到達点にくるころに桜庭が言い出した。
「ん?ってかいきなり名前って!(笑)」
桜庭はノリがいいからそのノリで名前呼びしたんだと思った。
だけど桜庭の顔はすごく真面目な顔をしている。
そして赤面している。
「…」
「どうしたの?」
「桜華、好きだ」
「もーほんとーにどーしたのっ!(笑)」
桜庭の肩を叩いて言ったけど、本当に真面目に言っているみたいだ。
「桜華…」
「えっ…」
窓側まで追い詰められて顔が近い…。
助けて…。
このままじゃ…!
「……光輝っ…!」
――――――ピロリロリロリン♪―――
私の声と同時にメールの着信音が鳴った。
「わ、稚菜か…」
「いや、あ、ご、ごめん…!
ほんまにごめん。ごめんよ!!」
土下座して謝ってきた。
「大丈夫だよ!
ちょっとびっくりしただけ」