その手をぎゅっと、離さないで

「…んじゃねーよ!!」

「「えっ?」」

後ろを振り返ると、桜庭と光輝が取っ組みあっている。

このままじゃ、大変なことになる。

「ちょ、私止めてくる!」

「私も!!」

宮本ちゃんも危険を感じたのか、一緒に光輝たちの方へ向かった。

「どうしたの!?」

「二人ともまず落ち着いて…」

「さっきより落ち着いたわ!」

そう言うのに、二人は一向に相手の体を離そうとしない。

自分が言ってたことわかってる?

全然落ち着いてないじゃん!!

「おい桜華、お前マジでどっか行け。
宮本、連れて帰れ」

は!?なにそれ!?

人が仲裁に行ったのにそれはないでしょ。

「わかったもういい、勝手にしとけば!」

光輝の発言にあまりにもむかついたから待ってる二人の方へ戻った。

宮本ちゃんもついてきてくれた。

「桜華、大丈夫?」

「むかつくだけ、大丈夫だよ」

心配もしてくれた。

最後の最後で喧嘩で終わるわけ?

せっかく楽しかった修学旅行…。

最悪じゃん。
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