その手をぎゅっと、離さないで
『そんなに焦るってことはライバルとして見て
くれとんや?
どっちが勝つかな〜』
桜庭ってこんなやつだったのか!?
すっげぇ腹立つ。
『選ぶのは桜華だ。
二人ともじゃない可能性だってある』
『僕は3年間同クラなるんやで?
柳下って単純だし?
フフフ、よー考えとき』
今すぐにでも殴ってやりたい。
桜華をなんだと思ってんだよ。
その時、桜華たちがきた。
仲裁にはいってくれたと思う。
だが俺は…『 おい桜華、お前マジでどっか行け。 』なんて冷たいことを吐いてしまった。
あいつ絶対怒ってる。
しかも一人で抱え込むから余計に心の中でむしゃくしゃしてるだろう。
好きな女怒らせて、俺はなにがしたいんだよ。
『そーや。
このままじゃあいつら困らせるで普通にな。
決着がついたっちゅーことで話合わせとこ』
『そうだな』
嘘つけ。
本当は自分のことしか考えてないだろ。
あの時、俺は桜華にあんなこと言ってしまったから俺の方が桜庭より悪だ。
それをわかっていて、自分の印象をよくしたいだけに決まっている。
『あ、最後に聞きたいことあるねんけど…』
『なに』