その手をぎゅっと、離さないで

じゃあ観覧車の出来事は?

全部、演技?

俺が怒ったのも?

「あ、喧嘩から前のことはマジやけどな。
とゆうか皆、演技うますぎやわ!」

「って、てめーらよー!」

もう、まじでびびったよ。

良かった…。

ホットした。

「光輝なら怒らないって信じてたから。
やっぱり面白かった〜」

「なんだよ、本気でやばいと思ったのによ!」

桜華の肩を叩いてやった。

良かった、笑顔に戻った。

やっぱお前は笑顔が似合ってるよ。

「じゃーまた皆でトランプしようよ!」

「「またかよ!」」

また元に戻れてよかった。

これからも皆、仲良くしてくれよな。

「その前にごめん、吉岡トイレの場所教えて。
こい!」

「は、なん……」

「んじゃの!」

桜庭に口をふさがれ、トイレまで連れていかれた。


「で、なんだよ?」

どうせ喧嘩のことだろうけど。

「観覧車のやつなんだけどよ」

「あぁ」

桜庭が不気味な笑みを浮かべる。

まだ言ってないことあったのかよ。

「やっぱお前ら付き合ってんの?
付き合ってない風の演技?」

「いーや、あれはほっぺにしただけや」

「答えになってないし」
< 139 / 195 >

この作品をシェア

pagetop