その手をぎゅっと、離さないで

「お姉ちゃん、今別れ話して泣かなかったよね?
別れた日かわからないけどすごく泣いてた
じゃん。

お姉ちゃんの知らないうちに次の恋に矢が
向いてんじゃないの?」

「大輝より好きな人…?
ないない…!」

私ってほんとにこの子の姉なんだろうか。

ただ単に華恋の方が恋愛経験が多いだけなのか。


もし華恋の言ってることが本当なら…。

いったい誰なんだろう。

全然そんな気しないから。

「あ、そうだ。
吉岡光輝?1年生の中でモッテモテ。
多分、アタックしてる子多いと思うよ」

「でも彼女いないって言ってたよ。
好きな人いるらしいし」

「アッハハ!ふぅーん」

アッハハってなにそれ。

華恋、彼氏いるんだからダメだよ。

「お姉ちゃん頑張ってね」

「あとちょっとで終わるって!」

今になって宿題の話しないで…。

ほんとにあとちょっとだから!

「は?何言ってんの。まぁいいや」

「そんなキレないでよ…」

「じゃあ次話聞いて?」


結局オールになってしまった…。

宿題が終わったのが4時で、それからずっと恋バナ。

楽しかったからいいけど…ね。
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