その手をぎゅっと、離さないで

私たちのチームが抜かされたまんまだ。

私がこの先輩を抜かさないと…!!

「先輩頑張ってください!」

ありがとう、頑張るね。

「うん!!」

絶対抜かしてやる。

肘当てられるってことはそれを避ければいい。

距離が長くなってしまうから直線で外側に回るしかない!

よし、カーブで後ろにつけた。

もうすぐで直線…。

抜かすぞ!!


...なっ……!?

読まれてる!?

相手も外側へ出てくる。

私がもっとる出るしかない。

よし、あとちょっと...。

肘を少し出してくる。

抜かせた!!

このまま逃げ切るしかない。

「舐めんじゃないよ?」

そんなこと言われても...。


――――――パ-ン!!パ-ン!!―――

そして私が逃げ切った。


嬉しい...。

良かった。

席に戻ると光輝もいた。

「桜華凄かったな!」

光輝のおかげでもある。
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