その手をぎゅっと、離さないで

感謝の気持ちでいっぱいだ。

「光輝!頑張ってね。
最初で突き放してやれ!!」

私も光輝の手を握った。

「桜華、よわ!!
ちょっとは緊張ほぐれた、頑張ってくる!」

「行ってら!」

大きな背中を押して光輝は前へ進んだ。


――――――パ-ン!!パーン!!―――

「お疲れ光輝!良かったじゃん」

光輝は先輩を抜かして一位でバトンをつないだ。

その順位のままアンカーの桜庭がゴール。

桜庭はハードル専門だけど、短距離系はやはり速い。

さすが皆だ!!

「桜華のおかげでもあるし、ありがとうな!」

「え、あぁ、うん!」

さっきから目線を感じる...。

周りを見ると、昨日の女の子たちがいた。

あ、今日告白するんだったんだ。

「あの、柳下先輩」

「はっ、はい!?」

えっ私!?

光輝じゃないんだ。

私に何の用があるんだろう。

「先輩って吉岡先輩と付き合ってるんですか?」

なーんだ、そんなことか。


って、なんで!?そんな噂が!?

「えー、ないない!
ただ仲がいいだけだよ」
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