その手をぎゅっと、離さないで

またあの子たちだ。

ストーカーしてるのってくらいいつも見ている。

「ん?早く帰ろうぜ」

どうしよう。

ここで断ったら私の負け。

一緒に帰ったらまた何か言われる。

どうしよ…う。

あ、そうだ!

「あ、さっき女の子があそこにいるよ!
光輝を探してるんじゃない?
じゃ、邪魔しないからバイバイ!!」

「お、おい…」

ふう。

これで何とか大丈夫だろう。

あ、楓華だ。

「楓華〜!」

「うぅ、またうちらのクラス負けたよー…」

あ、そっか。

私とは違う団だったもんね。

「あ、そうそう。
吉岡が誘ってたのに帰らんくて良かったの?」

「い、色々あって…断った」

「じゃあうちと帰ろ!」

私もそのつもりだったから良かった。


私と楓華は最近のことを喋りながら帰っていった。

あまり会う機会が無かったからたくさん話した。

まだ足りないくらいに。

「お姉ちゃーん!楓華ちゃーん!」

「華恋ちゃんじゃん、どうしたの?」

一年生はもっと早く帰ってるはずなのになにしてんの。
< 162 / 195 >

この作品をシェア

pagetop