その手をぎゅっと、離さないで

って、私たちもけっこう長く話しているけど。

「今日、バーベキューしない?
私の友達も呼んだ!
桜華先輩と楓華先輩と話してみたいって言っ
てたし」

「そのまま楓華と泊まりしてもいい?」

「あー、いいんじゃない?」

やった!

もっと話せる。

久しぶりだ。

中三の時に初めて二人で泊まったね。

懐かしいな。

その時も大輝のこと好きだったね。

いっぱい相談に乗ってもらった。

今日はどんな話ができるかな?

本当に楽しみだ!!


「「美味しかった!!」」

皆とのバーベキューがひと段落ついたところでシャワーを浴びて、楓華と私の部屋にいた。

「ごめん桜華、眠たい…」

「私も…」

なんせ今日は体育祭。

夏の終わりの炎天下にずっといたんだから疲れたに決まっている。

私は特に、ね。

早朝から学校に行って動き回ってたんだから。

「でも、桜華と久しぶりに話したいから起きる!」

「奇遇だね。私も同じこと考えてた!」

それから私の話を聞いてくれた。

別れた時のこと。

イジメられていた時のこと。

稚菜のこと。

修学旅行のこと。

そして、今日の体育祭のこと。
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