その手をぎゅっと、離さないで

ずっと、あくびもせずに聞いてくれていた。

「んー桜華の好きな人は大輝じゃない」

「え?」

前にも言われた気が…。

なんでだろう。

私は…。

大輝しかないん…だけど。

「吉岡のこと好きでしょ?」

「…は!?!?」

え、ないない。

あの女の子たちにも言われたけど。

よく一緒にいるから?

うぅ、勘違いされてたってこと…?

嫌だな…。

「だってさー、今日の話なんか嫉妬じゃん?
吉岡が好かれてるからってヤキモチ焼いてるん
でしょ!」

「え、それヤキモチって言うのかな…。
友達と喋らないで!って言われるんだよ?
他人にそんなこと言われたらムカつくよ!」

「そりゃそうだけど…
他の話聞いてても好きそうだなって思ったよ。

でもね、吉岡の話をしている時の桜華の顔ね…
幸せそうだった!!」


私の中での光輝って…

太陽みたいに眩しくて、モテモテで…

強気で、いざという時は心強くて。

なにかあったら飛んできてくれるくらい。

手を握ってもらった時の温もりはものすごく心が和らいだ。

これが…

恋…?
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