その手をぎゅっと、離さないで

恋の噂


体育祭が終わってから一ヶ月。

あの暑さもなくなり、夜になると肌寒くなってきた。

そろそろ学校祭の準備が始まる頃だ。

去年はイジメがあったからあまり積極的に参加しなかった。


それと、最近になってから大輝がメールしてきてくれるようになった。

それが…。

最近の話題とかを話した。


〈大輝〉
だよな!
ごめん、寝る
おやすみ(ハ-ト)


このメールが来たときはびっくりした。

目がハートの顔文字を送ってきた。

嬉しい気持ちがある反面、悲しかった。

付き合っていた時はあまりこんなことなかったから。

しかも、好きでもない相手にこんなことを送ってきて…。

私はどうしたらいいかわからなくなったから返信しなかった。

「はぁ〜…」

しかも最近になってからある噂がたちはじめた。

だから余計にハートマークを送ってくるなんて、信じられなかったし辛かった。

私の気持ちを知っているの?

それを私は遊ばれているの?

何が真実で何が嘘なのか、わからないよ…。

「さ、桜華!
聞いた?」

楓華…。

「うん、楓華も聞いたんだ?」
< 166 / 195 >

この作品をシェア

pagetop