その手をぎゅっと、離さないで
恋の噂
体育祭が終わってから一ヶ月。
あの暑さもなくなり、夜になると肌寒くなってきた。
そろそろ学校祭の準備が始まる頃だ。
去年はイジメがあったからあまり積極的に参加しなかった。
それと、最近になってから大輝がメールしてきてくれるようになった。
それが…。
最近の話題とかを話した。
〈大輝〉
だよな!
ごめん、寝る
おやすみ(ハ-ト)
このメールが来たときはびっくりした。
目がハートの顔文字を送ってきた。
嬉しい気持ちがある反面、悲しかった。
付き合っていた時はあまりこんなことなかったから。
しかも、好きでもない相手にこんなことを送ってきて…。
私はどうしたらいいかわからなくなったから返信しなかった。
「はぁ〜…」
しかも最近になってからある噂がたちはじめた。
だから余計にハートマークを送ってくるなんて、信じられなかったし辛かった。
私の気持ちを知っているの?
それを私は遊ばれているの?
何が真実で何が嘘なのか、わからないよ…。
「さ、桜華!
聞いた?」
楓華…。
「うん、楓華も聞いたんだ?」