その手をぎゅっと、離さないで
…
『はぁ、はぁ。』
あのまま家まで走って帰ってきた。
アタシが…
恋!?
『嘘でしょ…。』
あの時みたいな想いはしたくない。
だから男子は皆、嫌いだった。
――――――あれは中3の夏…―――
中学3年間は大阪の中学に通っていた。
''稚菜は学年1モテる女''
そう言われ続けていた。
アタシもついにモテ期到来!
なのか、中3になってからは多い時で週3で告白されるっていうペースだった。
『わかちん今日もかわえ~ね~!』
なんて、毎日言われ続けた。
そんなアタシにも付き合っている彼氏がいた。
『わかなっ、今日も帰るで!』
『うんっ!』
アタシはその彼のことが大好きだった。
普段みんなから『可愛いね』なんて言われるなんて当たり前。
だけど彼だけは違った。
『おいブス。早く数プリ配れ。
はよせーへんと時間ないねん。』
『は?絶対お前なんかに配んない!』
そんな会話からはじまって…
ついには彼から告白してきて付き合うことになった。
彼に会える毎日が楽しくって楽しくって、彼と一緒に帰るのも日課になっていた。