その手をぎゅっと、離さないで

『それは、嫌いになったから…?』

そんな答えが返ってくるとは思わなかった。

だから涙が溢れ出てきた。

「本当はね、本当はね、ずっと一緒にいたいよ!
でも、離れちゃうし、別れなきゃ…」

それが私の出した結論。

遠距離になるだけ不安が募る。

光輝を疑うわけじゃないけど、不安にはなる。

「なら別れない、俺はお前が好きだし!
遠距離って言っても俺も桜華と大学近いしさ」

「え…?」

クラスにいた人たちがいっせいにこっちを向く。

今なんて…?

光輝は私のこと、これからも好きでいてくれるの…?

「俺はこれからも桜華の側にいる、約束する。
だから…、だから……」

「だから…?」

別れないで欲しい?

さっきも聞いたよ!

光輝ってば…!


あぁ、私バカだ。

結局自分の事ばっかり。

人の気持ち考えれてなかったや。

最後までこんなんじゃ、ダメじゃん。

「こ、これを受け取ってください!!」

私は嬉しくて涙する。

教室どころじゃない、廊下まで私たちを見ている。
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