その手をぎゅっと、離さないで
エピローグ
光輝side
――――――――ピッピッピピピー―――
「んだ、もう…うるせっ!」
せっかくあの日の夢を見てたのによ。
「光輝~、私行くね!言ってきます!」
「おう、行ってらっしゃ~い!」
俺は桜華と結婚して京都の桜華の大学近くのアパートに住んでいる。
今日は久しぶりにあの日の夢を見た。
最近見てなかったのに。
―――あの日俺は、桜華にプロポーズした。
『 こ、これを受け取ってください!! 』
教室中が歓喜の声と冷やかしの声だった。
一部の人は付き合っていることを知らず、驚いている人もいた。
俺は夏休みから毎週日曜日はバイトに出掛けていた。
ハローワークに行って、『時給高めので』って行ったらどっかの財閥の警護係になって。
毎週日曜日出掛けているから疑われたし、何をしているか突き止められると思っていた。
もしばれたら一環の終わりだ。
だからなるべく変装して行った。
すんなりバレずにできたから良かった。
おかげで桜華の好みの指輪が買えたし。
アメジスト。
桜華が長野ちゃんに貰ってたブレスレットの石。
長野ちゃんは前に、『素敵な恋人をまねきよせるためだよ~っ』って俺に話してくれた。
次は俺がもう一つの意味、
『真実の愛』の意味をプレゼント―――