その手をぎゅっと、離さないで
放課後。
私たちは[青組]のリレー練に向かった。
私の学校では、赤、青、白の三色対抗式だ。
すると後ろから愛花姫がきた。
「ねぇ、桜華~。一緒に行こぉ?」
はぁ。
話す人がいなくなると嫌っている人でもこうやってせがんでくる。
「ごめん矢神さん。桜華に大事な話があるか
ら1人で行ってくれない?」
え?あ、かばってくれたんだ。
未央、ありがとう!!
「えぇ~、じゃあウチも聞くぅ!」
「ごめん。そんな軽い話じゃないから。
じゃあね」
未央がごまかしてくれた。
「私、矢神さんみたいな人、ほんと嫌い。」
「えー!未央に嫌われる人って…そうとうだね」
未央は優しくて元気でイジメなんて絶対にしない子だ。
「そうなんだ。私もだよ」
「まっ、そのまま行くっか~!」