その手をぎゅっと、離さないで



「あーもー!ばーか!」

「はー?女泣かせといて…。あーほ!」

「ん、手握れよ」

「は?なんのおふざけ?」

光輝が右手をだしてきた。

グッと力を入れて握り返した。

だけど光輝には痛くなかったみたい。

「もういい。仕返しに光輝のノロケでも聞こ
うかな?」


「…花火大会一緒に行ったくらいかな」



「自分の事になると黙り込むよね~?
ひきょうな光輝''様''だこと」


「うるせっ!」



でもなんか…




スッキリしたかな!!!




「光輝、ありがとう。スッキリした!
聞きたいことがあるなら今のうちね?
また話すと泣くと思うから」


「あーもういいよ。
お前、諦め悪いようだし、何ヶ月後にでも
聞き出すし~。覚悟しとけよ!」


「はいはい」




光輝はいい人だ。

友達として、普通にいい人だ。



「まっ、色練もリレーも頑張ろうね!」

「あ、そうそう。おれ1走。
最悪じゃね?」



光輝は1年男子の中では2.3番目にははいるくらい速いかな?



「でも光輝は瞬発力がすごいから大丈夫だと
思うけど?」


そう言うとみるみる輝かしい顔をして、

「ならいけるか!?
3年と走るけど頑張るしかねーしな」

「うん!
青組が勝てるよう精一杯応援しまーす!」
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