その手をぎゅっと、離さないで
距離は約300m。
私が専門として走っている100mとはペース配分が変わる。
けど今はそんなこと考えてる暇はない!
横を走っているのは先輩だし、未央に少しでも余裕を与えたい。
全力で走りきる!
「はっ、はっ、未央!はい!!!」
バトンを渡そうとしたその時、
「「きゃっ!!!!」」
未央の声と同時に私も倒れた。
細かく言うと、敵チームの先輩に足をかけたれ、こかされた。
「未央!バトン!私はいいから早く!」
「うん!」
未央の相手は3年生の中でも足が速いと有名な先輩。
最後の最後までいい勝負だった。
「――――――パーン!!!―――」
「「やったー!!!」」
「―――――青組が赤組を抜かし、勝者は
…………青組!―――――」
「未央おつかれー!」
「はっ、はっ、はっ、やっ、たよ!」
未央は少し涙ぐんで喜んでいた。
そのあとすぐに色演技がはじまって…
次はもう結果発表だ。