その手をぎゅっと、離さないで
そういうと稚菜は照れながら叩いてきた。
イジメか…。
私がこんなことになるなんてな。
昔はどちらかというと、今とは逆の立場だっただろう。
愛花姫たちとつるんでいたからね。
中学の時は素直な気持ちで愛花姫たちと楽しく遊んでいた。
けど高校にはいってからは……
――――――嫌われたくない
いじめられたくない―――
その思い一心で愛花姫とつるんでいるようになった。
だから私も奴隷のようにされていた。
''トイレにあいつ呼び出してこい''
''あいつウザイから省いてこい''
''教科書破いてこいよ''
今思えばそんなことを聞くとか、ほんと最低だな、私も。
「んもー大丈夫だって!
いずれさ、あいつらが嫌われるんだから!
私がいなくなった時くらいにかなー?」
稚菜がいてくれて良かった。
もし本当に漫画みたいに1人ぼっちだったりしたら不登校とか自殺してたのかな。
稚菜がいてくれるだけで少し気が楽になる。
本当に良かった。