その手をぎゅっと、離さないで


今日は1人で帰ることになった。
稚菜はピアノの練習だから早く帰っちゃった。

だから愛花姫たちに出くわさないようにしないと…。





家まで10分くらいだけど急いで帰った。



「おーい、桜華!」

げ、この声は…



「びっくりした!?久しぶり!」

「光輝…。なんの用?
私早く帰りたいんだけど。

あといつから名前呼びになったのよ…」



ここで愛花姫たちに出くわしてしまったら変な噂流されるに違いない。

そしたら光輝も光輝の彼女も巻き込んでしまうことになるから危険だ。




「ちょっと聞きたいことあってー
公園いこーぜ!」


公園くらいなら…大丈夫なはず。

「う、うん。
でもちょっとだけだよ?」





どうせ大輝の話でしょ。
また色々とひどいこと言われる気がする…。





「ブランコとか久しぶりだな〜!」

「…」

「何暗い顔してんだよ。」

「早く帰りたい。
大輝のことならまた今度聞くから。」




いくらここが目立ちにくい所だからといって、時間が経つにつれて出くわす可能性はあがってしまう。
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