その手をぎゅっと、離さないで

「…お前、愛花姫らに何されてんの?」

「……っ…!?」


大輝のことだと思っていたから声がでなくなってしまった。

心臓が嫌な音をたてはじめる。


「なんかいろんな噂流してた、多分。
柳下が二股してるから振られたとか」


そんなことしたことない。
し、するわけない!





「……私…そんなことしてない。
するわけないじゃん!!!」

つい、声を荒らげてしまった。




「…そりゃ、俺もそう思うけどよ。
じゃあお前はそんな噂を流されるようなこ
としたってことか?」



「…っ!?」








そういえばそうだ。

私、なんで今こんな状況になってんの…

いつから嫌われて、

いつから避けられて、

いつから一緒にいなくなって、

いつからいじめられるようになったんだろう。








「…わ、わりぃ。
なくなってよ。」


あーあ、なんでだろ。涙がでてくる。

ぬぐってもぬぐっても溢れてくる。


でも、この人なら話を聞いてくれる気がする。
この人は信じれる。


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