その手をぎゅっと、離さないで
愛花姫たちが怒った顔で私を睨んできた。
ヤバイどうしよう。
心臓が嫌な音をたてだした。
「な、何言ってんのぉ桜華!遊びだよばー
か。アハハッ!」
「あかりん、柳下さん部活行きたがってるで
しょー。早く行かせたげなよー。
目障り。消えろ。ばいばーい!!」
足が震える。
雪かきの最中もさっきの事が頭の中をよぎる。
「おい、大丈夫?
さっきからめっちゃボーッとしとるやん。
あいつらにまた何かされたんか?」
「あ…、うん」
隣の席の桜庭だ。
こないだのこともあって私がいじめられてることを気にかけてくれているようだ。
「あいつらも最低やな。
僕の友達もあのグループにいるんやけど、
あのグループにいるだけで印象悪くなる
な。
あいつらのしてることは間違っとんやで柳
下は仕返ししたらアカンで?」
「うん、仕返しだけはしないよ。」
そう、これだけは決めている。
もし私に対してのいじめが終わったら、次のターゲットはあのグループの中の誰かになる。
でも、愛花姫たちグループが分裂するなら…。
愛花姫は必ず、一度いじめたことのある私やほかの人に寄ってたかってくる。
でも仕返しなんてしたら愛花姫たちがしていることと同じ。
もうこんな辛い思いをさせたくない!
だから絶対にしないって心に決めた。