その手をぎゅっと、離さないで
仲直り!?
あと一週間で2学期が終わる。
休み時間、私は1人でトイレに行っていた。
やっと、イジメから開放されるのかなって思う。
気が楽になっているところだった。
だけど、そんな時に限って…
こうゆうことが起こるものなのか…。
愛花姫たちだ…。
手洗い場で道を塞いでいる。
このままじゃ行けそうにないから教室に帰るところだった。
「あぁ、桜華ぁ〜!
ごめんごめんトイレ行きなよぉ。
邪魔してた。」
「あ、大丈夫だから…こちらこそごめん。」
''なに謝ってんの''そんな声が聞こえた。
愛花姫が私にわざわざこんなことを言ってくるはずがない。
絶対に罠だ。
「はぁ?何いってんのぉ?早く入ってよ〜」
はぁ。
これはもう''入らない''という選択肢はないらしい…。
「あ、うん。わかった」
罠だとわかっていて入るのは気が重い。
私は一番奥の洋式トイレに入った。
ドアの向こうからは愛花姫たちのヒソヒソ声、ゲラゲラした笑い声が聞こえてくる。
――――――カシャッ!―――
「…っ!?!?」
カメラのシャッター音が聞こえ上を見上げると、愛花姫が写真を撮っていた。