その手をぎゅっと、離さないで




そんな事を考えていると桜華が帰ってきた。





「稚菜!言うこと決まったよ〜
てゆうか、ほぼパクらせてもらった!」

「先輩に目つけらんないようにね?
体育会系の先輩ってキツイ性格ってイメー
ジだし」

「心配するでない!私なんて目の隅にも置い
てもらえない存在でしょうから」

「そうゆう問題ですかーい!」



桜華といると明るくて、楽しくなる。






アタシは親の転勤で転々と引越ししてきた。

だけここまで仲良くしてくれたのは桜華が初めてだった。


だから今こうやって話すのも、ものすごく嬉しい。






「桜華!三限だから早く覚えときなよ~!」

「もっちろーん♪」

「ガン見してるからね?」

「間違えるからやめて」

「ふふふっ♪」









こんなにいい人なのに…



なんでっ。








なんで桜華がはぶかれなきゃダメなの?



< 6 / 195 >

この作品をシェア

pagetop