その手をぎゅっと、離さないで
そんな事を考えていると桜華が帰ってきた。
「稚菜!言うこと決まったよ〜
てゆうか、ほぼパクらせてもらった!」
「先輩に目つけらんないようにね?
体育会系の先輩ってキツイ性格ってイメー
ジだし」
「心配するでない!私なんて目の隅にも置い
てもらえない存在でしょうから」
「そうゆう問題ですかーい!」
桜華といると明るくて、楽しくなる。
アタシは親の転勤で転々と引越ししてきた。
だけここまで仲良くしてくれたのは桜華が初めてだった。
だから今こうやって話すのも、ものすごく嬉しい。
「桜華!三限だから早く覚えときなよ~!」
「もっちろーん♪」
「ガン見してるからね?」
「間違えるからやめて」
「ふふふっ♪」
こんなにいい人なのに…
なんでっ。
なんで桜華がはぶかれなきゃダメなの?