その手をぎゅっと、離さないで

桜華は多分、愛花姫たちにいじめられている間も心の底では楓華ちゃんのことを気にしていた。

なにしろ楓華ちゃん…中西楓華(ナカニシ フウカ)は桜華の中学の頃からの親友だ。


中学の時は桜華と楓華ちゃんの二人は特にが良かった。



だけど…

愛花姫たちがイジメてきてからは楓華ちゃんもクラスに来なくなった。
とゆうか、学校にすら来ていないらしい。

愛花姫たちは楓華ちゃんを嫌っている。

と、一度だけ噂で聞いたけど、桜華のことが広まりすぎて、楓華ちゃんのことは公にはでていない。



でも、多分…

桜華は知らない。

愛花姫たちが何かしらアタシたちにしてくるときはいつも楓華ちゃんはいなかった。

桜華は一番仲が良かったから気まずくなって会いに来なくなったとでも思っているだろう。



「稚菜に言ったっけ?
私、なんで楓華と仲が悪くなったかわかん
ない。」

「…え?」

あ、確かに今思えばそうだ。

アタシが思うには気まずくなってこうなったのだと思っていた。

「夏休み前に一度、楓華のクラスへ行った時、
『なんで来たの?』みたいな顔で見られた。


そこからは避けられてるのかわからないけ
どあまり会ってないし…。」

「…」

「稚菜、何か知ってるの?」


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