その手をぎゅっと、離さないで

そしてドーナツ屋さんで話をしていた。

「げっ、もうこんな時間!?」

「うわ、7時じゃん!」

窓側の席じゃなかったから全然わからなかった。

よく考えてみるとチラチラ店員さんに見られていた…。

「私は家近いから大丈夫だけど稚菜、大丈夫?」

「あーこっちにいるのも残り少ないし何も言われ
ないと思うよ。」

「でも…もう帰ろっか。」

そう思って席を立った時、

――――――ピロリロリロリン♪―――

「あれ、アタシじゃないや。
親から?ごめんね付き合わちゃって…。」

「…」

「ん?どうしたの?」

「ふ、楓華から…。」


桜華は泣きそうな顔をしている。

イヤガラセ?じゃなきゃいいんだけど…


〈楓華〉
いきなりやけど今までごめん、許されんと思うけど…。


「ねぇ、稚菜、愛花姫たちと全く同じじゃない?」

「確かに…」


桜華はそれに怒っているのだろうか…

桜華はめちゃくちゃ早く文字を打っている。


〈to楓華〉
こちらこそごめん。
聞にくいけど…
愛花姫たちと私に謝るって決めたの?


「あ、聞いちゃうんだ(笑)」
< 66 / 195 >

この作品をシェア

pagetop