その手をぎゅっと、離さないで

アタシはあれから公園にひとりにされたからそのまま家に帰ってきた。



最後の愛花姫…

口調が真面目だった。


もうイジメなんてしないってこと?

だからあんなに真面目な口調で言ったのかな。

アタシが言いたかったこと伝わったのかな…
それなら嬉しいな。


これでもう多分…

こっちでしたいことにはもう悔いはない。

桜華と湯浅のこともなんとかしてあげたかったけど…


今の桜華なら自分で解決できる。

前よりかは確実に強くなったと思うな。


アタシ知ってたよ?

桜華、いじめられてる時、毎日泣いてたでしょ。

朝出会うときいつも目を腫らしていた。


でも二学期の終わり頃になってからはなにかあったのか、そんなこともなくなった。

アタシも強くなれた。

色んなことで悩んだ。

けれど桜華の存在があったから頑張れたんだ。


それとね、桜華は気づいてないでしょう?


桜華は…




―――――好きでしょ


湯浅や楓華ちゃんのことでいっぱいいっぱいだと思うけど、あなたには側にいてくれる人が近くにいる。

いつ気づくかわからないけど…

その人といる桜華はアタシにも見せないような笑顔見せてたよ…―――

< 77 / 195 >

この作品をシェア

pagetop