その手をぎゅっと、離さないで





教室に戻るとクーラーがすごくきいていた。




「あ゛ー!生き返るー!
体育館の中蒸し器状態じゃん」

「桜華はおっさんかっつーの!
とゆうか弁当!早く食べようよ。
私、もうお腹ぺこぺこ~」

「食べないと部活頑張れないや。
あっ、今日なんにも持ってきてない。
購買行ってくるね」

「お気をつけて~」









購買は2回目だ。

初めて行ったのは…



楓華とだったよね。




なんか嫌な予感しかしない。

とっとと買って早くもーどろ!




と思っていた。





が…





その予感はみごとに当たったみたい。











買い終わったあとに愛花姫たちに絡まれた。





「桜華~!それウチにくれるのぉ~!?
ありがとぉ~!」

ぶりっ子のような声。

耳障りな声だ。


「いや、私の分だけだけど?」



平然を装って笑って返して教室へ戻った。













心臓が暴れだしていた。


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