その手をぎゅっと、離さないで

「桜華…どうかしたの?
ボーッとしてないで、あと少しで終わるよ?」

「えっ、あ、ごめん。

もうそろそろ終わるんだ!頑張ろっ!」


あぁ、今にも涙がこぼれそうだ。

「みかんっ…とるぞ!」

こらえきれなかった涙をふいて、残りわずかの時間でみかんを大量にとった。



「よーし終わりだ。
ジャムやジュースの作り方は農家の人達に
聞くように!
くれぐれも失礼のないようにっ!」

私は我慢してひとつも食べてないからいっぱい作るつもりだ。

「皆〜、早く作りに行こうよ!」

「そうだね、行こう」


皆で向かった。

各自たくさんとってていっぱいできそうで…

楽しみだ!



「ふぅ〜、完成っと!」


美味しそうなジャム&ジュースの完成。

明日の朝にでも食べよう。


「甘いの苦手、いる?」

「…え?」


大輝だ……。

まただ…なんでここにいるの?

「いらねーのかよ」

小声で呟かれた。

「…じゃあもらう。
あ、ありがとう……」

「それじゃ」

「…あっ……」

思わず呼び止めてしまったけど、大輝は男子たちの方に戻ってしまった。
< 90 / 195 >

この作品をシェア

pagetop