その手をぎゅっと、離さないで
「桜華…どうかしたの?
ボーッとしてないで、あと少しで終わるよ?」
「えっ、あ、ごめん。
もうそろそろ終わるんだ!頑張ろっ!」
あぁ、今にも涙がこぼれそうだ。
「みかんっ…とるぞ!」
こらえきれなかった涙をふいて、残りわずかの時間でみかんを大量にとった。
「よーし終わりだ。
ジャムやジュースの作り方は農家の人達に
聞くように!
くれぐれも失礼のないようにっ!」
私は我慢してひとつも食べてないからいっぱい作るつもりだ。
「皆〜、早く作りに行こうよ!」
「そうだね、行こう」
皆で向かった。
各自たくさんとってていっぱいできそうで…
楽しみだ!
「ふぅ〜、完成っと!」
美味しそうなジャム&ジュースの完成。
明日の朝にでも食べよう。
「甘いの苦手、いる?」
「…え?」
大輝だ……。
まただ…なんでここにいるの?
「いらねーのかよ」
小声で呟かれた。
「…じゃあもらう。
あ、ありがとう……」
「それじゃ」
「…あっ……」
思わず呼び止めてしまったけど、大輝は男子たちの方に戻ってしまった。