Savior-社長は救世主-
「少しだけ時間をもらえませんか?今は貴方に会える状態ではありません。小森の様子を見ながら、時期がきたら場を設けますから…………いえ、必要ありませんのでご安心ください」
「それでは、失礼します」
10分近く話していた
その間ずっと私の手を握っててくれ
時折、握ったまま親指で手の甲を撫ぜたりして、私を落ち着かせてくれた
正直、和弥がコレで納得してくれたなんて思っていない
何をするかわからないし
どこでスイッチが入るかわからない
「小森、行くぞー」
社長の声にハッとしたが、社長がいない
さっきまでリビングいて
私の手を握っていたくれたはずだが?
「早くこーいっ」
えっ?
声がするのは玄関だ
出掛けるの?
『社長、私、出かけられる状態じゃ、』
「だから車。それに優や藍ちゃんにも話した方がいい」
話すの?
嫌っ……、無理だよ……