Savior-社長は救世主-
玄関での母の姿を見て理解したのだろうか、社長は母に気を使っている
あんな話をしたら母がどうにかなる
そう思ったのかもしれない
「お気遣い、ありがとうございます。ですが、澪の母親ですから聞く権利はあります。それに…そうなれば私が付いていますので、構わず……全て話してください」
丁度、母がコーヒーを運んできた
そして母が父の隣に座ると
父は母の手を取り、両手で握った
母は驚いていたが
母も父のことをよく知っている
母は頷くと、
父は社長にお願いします、と伝えた
社長は言葉を選びながら
母に刺激を与えないように話してくれた
が、やはりその話を耳にした父と母の表情は険しく、母は泣いている
両親の顔を見ると、やはり辛い
私も泣きそうになり下を向きそうになる
「今までご両親にお話できなかったのは、お二人が悲しむと思っていたと思います」
社長は私の気持ちまで、伝えてくれた