Savior-社長は救世主-

「今は私のマンションで暮らしています」


社長の言葉に父はギョッとした


「あ、澪さんに一歩も触れてません。私は澪さんが安全に安心して暮らせるように手助けをしただけです」


一歩も触れていない…
その言葉に父は安心した様子だったが
私には疑問しか残らない

抱きしめて寝ているのは
一歩も触れてないって言えるのか?


「念のために知り合いの弁護士に準備はしてもらっています。裁判にはならないよう、話し合いで終わらせたいというのが本音です」



社長の話を聞いて両親は理解してくれた
が、それでも私の胸は痛い


『ごめんね、おとうさん、お母さん』


「何を言っているんだ、謝るのは私達だ。お前が幸せでやってるとばかり思っていたからロクに連絡もしなかった」

もっと連絡するべきだった、と
父は涙を流してくれた
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